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第75回定期演奏会

2019年7月20日

愛知県芸術劇場コンサートホール

愛知県 名古屋市東区

ブラームス 交響曲第2番 
ラフマニノフ ピアノ協奏曲第2番 
ベートーヴェン 「エグモント」序曲
指揮:井崎 正浩
独奏:鐵 百合奈
指揮 井﨑 正浩(いざき まさひろ)

現在ハンガリーを拠点にヨーロッパ、そして日本各地で活躍を続けている指揮者。2007年よりハンガリー・ソルノク市の音楽総監督を務め、同市に所属する音楽・文化団体及び劇場を統括する重責を担うなどの活動から、Newsweek誌「世界の「尊敬される日本人」」において海外で活躍する日本人芸術家として掲載される栄誉を得た。最近ではロシア・ナショナル管弦楽団、ベルリン交響楽団、デュッセルドルフ交響楽団等への客演も行い国際的な展開を行っている。

1995年第8回ブダペスト国際指揮者コンクールで優勝。コンクール中の演奏を国立オペレッタ劇場総裁に認められ、同年同劇場でレハール作曲《メリー・ウィドウ》を指揮しセンセーショナルなデビューを飾る。これまでハンガリーの主要オーケストラ及びハンガリー国立歌劇場に次々と客演してその名を揚げ、「5つの国際音楽祭」委員会から「ますます期待と実績のあるアーティストに贈られる『リラ大賞』」を、ソルノク市からは文化功労賞「カバシファーリ・ジュラ賞」を、ハンガリー政府より大統領名での「金十字功労勲章」(外国人に与えられる最高栄誉)を授与されている。

日本では1998年1月、東京シティ・フィルのニューイヤー・コンサートでのデビューを皮切りに、読売日本交響楽団、日本フィル、東京フィル、東響、九響、セントラル愛知等の主要オーケストラへ次々と連続客演して好評を得ており、その手腕を高く評価されている。


ピアノ 鐵 百合奈(てつ ゆりな)

1992年香川県生まれ。日本音楽コンクール第2位、岩谷賞(聴衆賞)、三宅賞。高松国際ピアノコンクール審判員特別賞、日本クラシック音楽コンクール高校の部グランプリ、大阪国際音楽コンクール/ローゼインストック国際ピアノコンクール各第1位。皇居桃華楽堂で御前演奏。神奈川フィル、芸大フィル、東京シティ・フィル、三響等と共演。

2017年香川県文化芸術新人賞。論文「『ソナタ形式』からの解放」で第4回柴田南雄音楽評論賞(本賞)を受賞、翌年『演奏の覚書「分析」から音楽を取り戻す』で第5回同本賞を連続受賞。ヤマハ音楽振興会、よんでん文化振興財団、岩谷時子Foundation for Youth、宗次エンジェル基金、各奨学生。

東京藝術大学音楽学部附属音楽高等学校を経て、同人をアカンサス賞、芸大クラヴィーア賞、同声会賞を得て卒業。同大学院修士課程を大学院アカンサス賞、芸大クラヴィーア賞等を得て修了。現在、同博士後期課程。青柳晋氏に師事。

2019年、N&FよりデビューCDを発売。


名古屋シンフォニア管弦楽団について
1982年に愛知県内のアマチュア音楽有志によって結成され、年2回の定期演奏会を続け、2017年に35周年の節目の年を迎えました。名古屋を拠点とするアマチュアオーケストラとしては老舗の部類に入り、2003年には愛知県芸術文化賞を受賞しました。結成当時のメンバーをはじめ、東海地区の学生や社会人、転勤で名古屋にやって来た会社員や家族も加わり、現在では年齢も職業も様々な約80名が集う大世帯となりました。
定期演奏会では、隠れた名曲や難曲、大編成の曲にも積極的に挑戦する特色ある選曲を心がけ、練習では指揮者はじめ経験豊富なプロの先生方からの熱心な指導の下、楽しくかつ真剣に音楽に取り組んでいます。私たちが演奏を楽しむだけでなく、お客様にも一緒に楽しんでいただけるような演奏会を目指して活動しています。

ベートーヴェン:劇音楽「エグモント」序曲

16世紀のネーデルランド(現在のオランダとベルギーにあたる地域である)は神聖ローマ帝国の治世下にあった。

1556年、神聖ローマ皇帝カール5世はスペイン・ハプスブルク家のフェリペ2世に譲位し、ネーデルランドはスペインの支配下に入るが、16世紀から17世紀にかけて経済力をつけた市民層と、それに結び付いたプロテスタント勢力の拡大は、次第に独立の流れを加速させていた。この独立運動を八十年戦争と呼ぶ。ラモラール・ファン・エフモント(1522-68)はこの独立運動を主導した人物の一人として知られる。エフモント自身、ハプスブルク家に仕え、フェリペ2世の下では戦功も上げているが、フェリペ2世の異母姉にあたるネーデルランド総督のパルマ公妃マルガレーテによるプロテスタント勢力抑制の動きに反対するようになったため、フェリペ2世は新総督フエルナンド・アルバレス・デ・トレドを派遣して事態の収拾を図った。エフモントは逮捕され、ブリュッセルで斬首刑に処せられることになる。その後オラニエ公ウィレムらにより、17世紀末までに現在のオランダにあたる北部7州は事実上の独立を獲得するが、エフモントの本拠である南部諸州はスペインの支配が続く。


という史実をもとにしたゲーテ(1749-1832)の5幕からなる戯曲が『エグモント』(1787)である。舞台では理想に燃える貴族エクモントと市民の娘クララとの純愛が描かれるが、ゲーテの作品には脚色が多い。エクモントは未婚という設定だが、内垣啓一によれば、46歳で処刑されたエフモントには9人の子どもがいたという。ゲーテの書き方もせっかくの主人公なのにエクモントは今一つ空気の読めない世間知らずにしか見えないところがある。第2幕では、収入役が手紙で歳入不足のため退役軍人や未亡人などの手当の支給を遅らせると訴えるのを撤回しろと命ずるのだが、金策については、「自分で考えろ」という投げやりな命令である。政治家としては財政管理能力がない。また、ヒロインのクララもエクモントの他にも市民の若者ブラッケンブルグに思わせぶりな態度をとっていたりする。それ、世間では二股といわんか?それで「〔天使は〕あの方を夜の闇を通って自由の国へ、穏やかにそして静かに導くのだわ」なんていわれてもねえ。


ベートーヴェンは、ウィーンのブルク劇場でこの戯曲を上演する際の音楽を依頼され、序曲を含めて10曲の音楽を書いた。彼の音楽付きの形では1810年に上演されている。ベートーヴェン自身の政治思想がリベラルなものだったこともあり、圧制への抵抗を描いた作品には共感していたのであろう(このテーマは同時期に書かれた歌劇『フィデリオ』にも共通するものがある)。


エフモントを反動勢力からの解放者として描いたゲーテだが、1789年に起こったフランス革命については批判的だった。彼は1792年、プロイセン軍によるフランス革命の干渉戦争に従軍した。革命勢力の排除を狙ったプロイセン軍だが、ヴァルミーの戦いでフランス革命軍に敗退してしまう。それは素人の民衆の軍隊がプロの軍隊を破った戦いでもあった。目の当たりにしたゲーテは次の名言を残している。


「ここから、そしてこの日から世界史の新しい時代が始まる」。

ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番 ハ短調 作品18

この曲、曲名に馴染みがなくても、耳にしたことのある方は多いかと思います。イギリス映画「逢びき」に使われているのを始め、ドラマや、フィギュアスケートのプログラムでも多く使われています。中でも一番皆様の記憶に新しいのは、今から5年前のソチオリンピック。この名古屋の地を代表するフィギュアスケーター浅田真央さんのフリープログラム(FP)ではないでしょうか。


同大会のショートプログラム(SP)で冒頭のトリプルアクセルを転倒し、その後も思うような演技ができず、16位でFPを迎えることとなった真央さん。FPに選んだのは、オリンピックの開催地でもあり、当時師事をしていたタラソワコーチの母国でもあるロシアを代表する偉大な作曲家、ラフマニノフのこの曲でした。…


S.V.ラフマニノフ Sergei Vasilievich Rachmaninov(1873-1943)はチャイコフスキーと並びロシアを代表する作曲家・指揮者であり、絶大な人気を誇るピアニストでもありました。


12歳の時、ピアニストの従兄アレクサンドル・ジロティに見出され、モスクワ音楽院でピアノを学び始めました。彼の手は大きいうえに、柔軟性も極めて高く、12度:ドから1オクターブ上のソ(約37センチ)まで届いたという伝説の持ち主です。18歳の時に同音楽院ピアノ科を首席で卒業し、ピアノ協奏曲第1番を完成させています。その稀な才能と自らの恵まれた手を武器にピアニストとして大きな成功を収め、「フランツ・リストに匹敵する」と言われるほどでした。


しかしながら、彼は最初の交響曲第1番を24歳で作曲後、初演を聞いた批評家から酷評を受けノイローゼに陥り、作曲活動のペースは著しく落ちてしまいました。そんな時、精神科医ニコラス・グーイによる心理療法・暗示療法で精神状態は徐々に回復、自信を取り戻した彼が28歳の時に完成させたのが、ピアノ協奏曲第2番だったのです。


立ち直るきっかけをくれたグーイ博士にこの曲を献呈し、1901年にラフマニノフ自身のピアノ独奏で行われた初演は多くの聴衆を魅了し大成功を収め、彼の作曲家としての地位は不動のものとなりました。


…さて、ソチでのSPを終えた真央さん。「たくさんの方に励ましの言葉をもらったので、最後は覚悟を決めてリンクに立ちました。」SNS上ではハッシュタグ【♯GoMao♯MaoFight】を使った応援メッセージが9万を超えました。


―絶望から復活へ。偶然にも真央さんとラフマニノフの人生が重なり、このピアノ協奏曲の調べに集大成をつぎ込んだ伝説のFPが生まれたのです。―


本日は、ピアニスト鐵百合奈さんをお迎えして全楽章をお届け致します。


**第1楽章 Moderato ハ短調 2分の2拍子 ソナタ形式**


ラフマニノフの曲には「鐘」をイメージさせる曲が多く、この曲もロシア正教の鐘をイメージしたとされるピアノの和音連打による序奏から始まり、重厚なオーケストラが第1主題を演奏します。ピアノの超絶技巧的なパッセージと激情的なオーケストラのあと、ピアノが甘美な第2主題を奏で、その後展開部を経て再現部をもって終わります。楽章の締めくくりは「ジャン・ジャン・ジャン」という「ラフマニノフ終止」でまとめられます。


**第2楽章 Adagio sostenuto ホ長調 4分の4拍子 三部形式**


静かな弦楽器がクレッシェンドを迎え、ピアノがアルペジオで入ってきます。この楽章でのピアノはほとんどの場面でアルペジオを奏で、オブリガード風の役割を担います。主題から派生した短調の旋律をピアノが歌う場面から中間部は始まり、音楽は加速しつつ、オーケストラの一撃を合図にカデンツァが入り、冒頭の静かな主部を回帰して終わります。


**第3楽章 Allegro scherzando ハ短調-ハ長調 2分の2拍子 ロンド=ソナタ形式**


短いオーケストラによる序奏を経て、ピアノが勢いよく登場し、スケルツォ風の第1主題を奏でます。この第1主題は、1楽章の第1主題の変形です。ピアノが第1主題をまとめると、オーボエとヴィオラによる甘美な第2主題が始まります。第1、2楽章であまり見られなかったカデンツァは、この第3楽章に多く現れます。

ブラームス:交響曲第2番 ニ長調 作品73

今宵お届けするのは、正統派ドイツ音楽であるブラームスの交響曲です。

ブラームスと聞いてみなさんは何を連想されますか? よく見かける写真では、いかめしい顔でちょっと気難しそうです。

(でも若い頃は痩身のイケメンで、女性にもモテたようですよ♪)

プロ、アマ問わず、また今も昔もブラームスの交響曲は大変人気があります。なぜでしょう?


ヨハネス・ブラームスは1833年ハンブルクで生まれました。父親の影響で幼少期より音楽教育を受けましたが、家が貧しく、13歳頃から酒場などでピアノ弾きのアルバイトをしていました。その後、演奏旅行で知り合ったヨーゼフ・ヨアヒムにシューマン家を訪問するようすすめられ、20歳のブラームスはシューマン夫妻を訪問しました。ロベルト・シューマン43歳、クララ・シューマン34歳の時でした。シューマンはブラームスの才能を認め、デビューに尽力しますが、精神病を発症し2、3年後に亡くなってしまいます。


クララは幼い頃から天才少女と謳われた才能豊かなピアニストで、シューマンが精神病院に入院していた2年半の間に、ブラームスはクララを深く愛するようになります。シューマン存命中は叶わぬ想いであり、シューマン死後は「激情に身を任せるのではなく、真に立派な人間になる」と思い直し、クララと結ばれることはありませんでした。しかし献身的にクララや子どもたちの世話をし、苦楽の固い絆で結ばれた友人として、その交流はクララが死ぬまで続きました。ブラームスには、他にも結婚を約束した相手もいましたが、クララへの想いからか、音楽活動の制約となると考えてか、一方的に婚約破棄し生涯独身を通しました。


ブラームスはベートーヴェンをこの上なく崇拝しており、ベートーヴェンが確立した交響曲をリストやワーグナーが交響詩、楽劇のように革新的に発展させていったのとは一線を画し、あくまでも「2管編成」の古典的形式にこだわりました。


ベートーヴェンだけでなく、ハイドンやモーツァルトを敬愛し、バッハにも心酔していました。この19世紀後期というロマン派の時代にあって、ひたすら古典形式にこだわったブラームスですが、完璧主義者で劣等感のかたまり(何かと目立つワーグナーやブルックナーには嫉妬)、気持ちを素直に伝えられない皮肉屋で、非常に内省的な人だったそうです。それでいて「完成された美しいもの」への憧れや愛着は人一倍強く、それが表れているのが、実生活ではクララへの愛であり、音楽面ではバッハ、ベートーヴェンへの傾倒だったと言われています。


ブラームスという人は、あなたの近くにいそうな、なんとも人間臭い人だと思いませんか?


ブラームスの楽曲が今日でも大変人気があるのは、安定した古典形式でありながら、その内容が非常に緻密であり完成された美しさがあることと、懸命に自分の感情を抑制しながらも、あふれ出る内面的な激情に心を揺さぶられるからではないでしょうか。


今回演奏する交響曲第2番は、1877年夏、避暑に訪れた南オーストリアのヴェルター湖畔のペルチャツハという風光明媚な小村で作曲されました。書いては破りを繰り返し20年以上かけてようやく完成した第1番と違い、3か月余りという短期間で迷うことなく一気に書き上げたその作品は、ブラームスの4つの交響曲の中で最も明るく、幸福感に満ちあふれた作品となっています。批評家ハンスリックに宛てた手紙に「ヴェルター湖畔の地にはメロディがたくさん飛び交っているので、それを踏みつぶしてしまわないように、とあなたは言われることでしょう。」と書き送っているほど、この地では創作意欲が湧いたようです。


この2番の交響曲は、ベートーヴェンの「田園」になぞらえて「田園交響曲」と呼ばれることがありますが、単に牧歌的ということはなく、冒頭の動機が全楽章にわたり統一的に支配しているなど構成が緻密で、バッハの作曲技法が駆使されているのも魅力の一つとなっています。


**第1楽章 Allegro non troppo ニ長調 ソナタ形式**


冒頭、低弦によるレード♯-レの基本動機に続いて、ホルンが柔らかい第1主題を奏でます。この動機が繰り返された後、ヴァイオリンが基本動機を展開させた明るい旋律を奏します。その後、ヴィオラとチェロによる陰影のある第2主題(これも基本動機の変形)が奏でられ、基本動機、第1主題、第2主題が絡み合いクライマックスを迎えます。コーダでは独奏ホルンや弦楽器の豊かな響きの中、穏やかに収束します。


**第2楽章 Adagio non troppo ロ長調 ソナタ形式**


チェロによる物憂い第1主題にファゴットが絡みます。この主題や、第1楽章冒頭の基本動機の変形した旋律が次々に現れ、複雑で多彩な感情表現が表れます。明るい交響曲第2番の中で、最も重厚な楽章となっています。


**第3楽章 Allegretto grazioso(Quasi Andantino) ト長調 ロンド形式**


オーボエによる優雅な主題と軽快なスケルツォによる楽章。ここでも基本動機が使われています。


**第4楽章 Allegro con spirito ニ長調 ソナタ形式**


基本動機に基づく第1主題が弦楽器のpで始まり、消え入りそうになった直後、全管弦楽の強烈音型が現れます。第2主題はヴァイオリンとヴィオラで穏やかに奏でられ、コーダでは、第2主題の動機が金管で繰り返されて高揚し、歓呼に次ぐ歓呼で全曲が結ばれます。


ブラームスの交響曲の中でも特にこの2番は、高い完成度で感動的な演奏をするのは難しいと言われています。また相応の人生経験の積み重ねがなければ、屈折したブラームスの心情を理解して音楽にすることは難しい、と言う人もいます。20代から60代までの団員からなる我々名古屋シンフォニアが、アマチュアオーケストラとしてどこまでブラームスの内面を表現できるか、挑みます。ぜひお聴きください。

~特集~ ピアニスト鐵百合奈さんに伺いました!


♪ピアニストになりたいと思い始めたのは何歳頃ですか。

ピアノは4歳から始めたのですが、物心つく頃には漠然と、「ピアニストになりたい」と思っていました。幼稚園の頃から、七夕の短冊には「ピアニストになれますように」と書いていました(笑)。


♪ピアノは毎日どのくらい練習されるのでしょうか。また、ストレッチや運動などもされていますか。

4時間くらいです。中学生までクラシックバレエをやっていたので、その頃のストレッチをゆるやかに続けています。運動といえるのか分かりませんが、家で自重での筋トレを軽くやっています。


♪練習以外の時間で、息抜きや感性を高めるためにしていることはありますか。

息抜きは、ベランダで育てている植物たちのお世話です。あとは、色んなお茶を集めて飲んでいます。さまざまな香りを知ると、イメージの引き出しが増えるように思います。音と香りって、どこか似ていると思いませんか?


♪本番で緊張されることはありますか。緊張を和らげる方法があれば知りたいです!

それはもう、めちゃくちゃ緊張します!!!本番前は青ざめて、吐きそうになるほどです。緊張することは避けられないので、緊張を受け入れる方向で対策しています。たとえば、緊張すると体がかたくなりがちなので、本番前までふくらはぎ、首、肩、腕全体を揉みほぐし、体がなるべく固まらないよう気をつけています。


♪論文でも賞を取られていますが、音楽を深く分析することによる演奏上のメリットなど教えてください。

たくさん分析をするようになったのは中学生の頃で、主な理由は少ないレッスン回数を補うためだったのですが(東京の先生のお宅に香川県から飛行機で通っていたので、レッスンは月に1~2回でした)、もうひとつの理由が、暗譜対策でした。この頃から弾く曲が長くなったため、分析をして構造をしっかり理解しないと、極度のあがり症によって暗譜が飛んでしまうようになったのです。曲を分析すると、より深く曲に共感でき、音楽と一体化して演奏できるようになりました。すると、自然と暗譜の不安も軽減しました。


♪オーケストラと一緒に演奏するコンチェルトの魅力は何でしょうか。

大海原を航海している気持ちになれることでしょうか。フルオーケストラの音には大きな包容力があって、私には海の波のようにも、吹き渡る風のようにも感じられます。また、普段のピアノソロでは舞台にたった一人…ですが、協奏曲では頼れるマエストロがいます!井崎先生に導かれ、名古屋シンフォニア管弦楽団の皆さまの音に包まれるラフマニノフのピアノ協奏曲第2番、どんな航海になるのか楽しみです!


♪お好きな作曲家はいますか。また、一生をかけて取り組みたい作品や今後の夢などお聞かせください。**

ベートーヴェンとシューマンです。この二人のピアノ・ソナタが本当に好きなので一生向き合っていきたいです。現在、ベートーヴェンのピアノ・ソナタ全曲演奏シリーズを行っています。シューマンのピアノ・ソナタは、第3番をデビューCDに収録しました。第1、2番もCDにできたら嬉しいなと思います。


♪音楽は私たちにどんな力を与えてくれているでしょうか。

音楽は、私たちの喜怒哀楽に寄り添ってくれるものだと思います。常にそばにいて、包み込んでくれるような…。生きるとは何か、などの哲学的な思考の答えも、音楽の中にあるように感じます。これからも、音楽と共に生きていければ幸いです。


―心のこもったお答えやメッセージをいただき、ありがとうございました!(編集部)

チラシ表
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