名古屋シンフォニア管弦楽団
Nagoya Sinfonia Orchestra
87回目となる今回の演奏会では、イギリス音楽の復興に寄与した作曲家3人による美しい作品を取り上げます。「サマセット狂詩曲」は、組曲『惑星』で有名なホルストがイギリスのサマセット州の魅力的な民謡をもとに作ったドラマチックな作品で、冒頭から一気にイギリスの風景へと誘い込まれます。イギリスで最も愛されている作曲家エルガーの変奏曲『エニグマ』は、愛する妻や友人たちの性格や雰囲気を次々に紹介していくという思いやりと愛情に溢れた曲で、中でも有名な「ニムロッド」は親友への思いの美しさに心が洗われます。
ホルストの親友でもあった大作曲家ヴォーン・ウィリアムズが71歳のときに作った交響曲第5番は、イギリスの丘陵地で自然の声に耳を傾けているような場面もあれば、異なるリズムが絡み合う躍動感、永遠の平和を希求する敬虔な祈りなど、様々な表情を見せます。独特な響きのイギリス音楽を楽しめるこの機会をどうぞお見逃しなく!
指揮 高井 優希 Takai Yuki
第4回黒海(コンスタンツァ)指揮コンクールにおいて第1位受賞。
これまでに、札幌交響楽団、仙台フィルハーモニー管弦楽団、東京フィルハーモニー交響楽団、神奈川フィルハーモニー管弦楽団、名古屋フィルハーモニー交響楽団、セントラル愛知交響楽団、中部フィルハーモニー交響楽団、大阪交響楽団、大阪フィルハーモニー交響楽団、関西フィルハーモニー管弦楽団、広島交響楽団、九州交響楽団、琉球交響楽団、コンスタンツァ国立歌劇場管弦楽団、ローマ・イタリア管弦楽団など、国内外のオーケストラと共演。日本バチカン国交樹立75周年記念コンサート、田尾下哲演出オペラ「ラ・ボエーム」などの指揮のほか、NHK「LIFE!〜人生に捧げるコント〜」番組収録のための指揮指導にも携わった。
幼少よりピアノを学び、成蹊高等学校卒業後、東京藝術大学指揮科およびライプツィヒ・メンデルスゾーン音楽演劇大学指揮科卒業、東京二期会、藤原歌劇団、ニッセイオペラ、東京室内歌劇場、藤沢市民オペラなどの公演において副指揮者を務めた。
ウルリッヒ・ヴィントフール、田中良和の各氏に指揮を師事。また、ヨルマ・パヌラ、コリン・メッターズ、エルヴィン・アチェル、小林研一郎、佐藤功太郎、小田野宏之、松尾葉子の各氏の薫陶を受ける。
2019年度山田貞夫音楽賞特選。2020年度セントラル愛知交響楽団アソシエイトコンダクター。武蔵野音楽大学非常勤講師。東京藝術大学附属音楽高等学校非常勤講師。
名古屋シンフォニア管弦楽団 Nagoya Sinfonia Orchestra
1982年に愛知県内のアマチュア音楽家有志によって結成され、40年以上にわたり活動を続けている老舗のアマチュアオーケストラであり、創設時のメンバーから現役学生まで、幅広い年代にわたる音楽好きの団員で構成されています。年2回の定期演奏会を続けており、指揮者をはじめ経験豊富なプロのトレーナーによる指導のもと、自分たちが音楽を楽しむだけでなく、お客様にも楽しんでいただけるような演奏を目指し、全員が協力して活動しています。
ホルスト:サマセット狂詩曲
当団がしばしば変わった選曲をするのはマニアックな人がいるからです。今回も特にこの曲は団員もほとんど知らず、「誰が見つけてきたんだ?」と皆いぶかしんでいましたが、合奏してみたらまさに隠れた名曲でした!
「サマセット」とは、イングランド南西部の州の名前で、ここは民謡の宝庫でした。民謡(フォークソング)とは「生活の中で口伝えで継承されている歌」であり、日本だとソーラン節とか炭坑節とか2拍子の盆踊り系を思い浮かべますが(私だけ?)、世界の各地に魅力的な民謡があるのですね。
ヴォーン・ウィリアムズの影響でイギリス民謡に興味を抱いたホルストは、民謡を探訪していた音楽学者のセシル・シャープから、この州の民謡を使った管弦楽曲を書くよう勧められ、4つの民謡を組み合わせてこの曲を作りました。狂詩曲(ラプソディー)とは、自由な形式の幻想的・叙事詩的な曲をいいます。
この曲はノスタルジックなオーボエ・ダモーレのソロで静かに始まります。その後徐々にリズムカルな要素を増し、行進曲風の華やかな音楽が展開されて高揚に至り、やがてまた静かな世界に戻ってひっそりと終曲します。
ホルストは使った民謡の歌詞にもとづき、「静かな田舎に兵隊たちが近づいてくる音が聞こえ、男は求婚中の恋人を説得して入隊し、遠くに行ってしまう。そしてまた静寂が戻る。」というストーリーと同僚に語っています。皆様の心にはどんな風景や物語が浮かぶでしょうか。自由なイメージネーションをかき立てる曲のように思います。
エルガー:変奏曲『エニグマ』
「エニグマ(enigma)」とは、英和辞典によると「なぜ、なぞめいた話、なぞの人」といった意味ですが、エルガーはこのタイトルを付けておきながら、「なぞ」の秘密を解き明かそうとしてはならない、全曲を通して別のもっと大きな主題があるがそれは演奏されない、と言っています。まったくナゾです。ただ、各変奏のタイトルとなっているイニシャルや愛称については、それぞれ誰のことなのか、研究者によってほとんど解明されています。その中にはアリス夫人とエルガー自身も含まれ、その他は夫妻の共通の友人等でステータのある人が多く、「各々の変奏がその人のムードを表すように書いた」とエルガーは語っています。人によって性格が異なるように、変奏ごとに速さや雰囲気がガラっと変わり、いろいろな場面を楽しめる曲となっています。各変奏の雰囲気に合った人が皆様のまわりにもいるのではないでしょうか?
曲は、主題とそれに続く14の変奏で構成されています。変奏の多くは短く、切れ目なく続くものもあります。
主題(テーマ) アンダンテ:ため息をつくように、この曲のテーマとなる旋律がメランコリックに奏でられる繊細な始まりです。
第1変奏 “C.A.E.” リステッソ・テンポ:キャロライン・アリス・エルガー、つまり奥様。愛する人をいつくしむように主題が丁寧に紡がれ、やがて優しさに満ちていきます。
第2変奏 “H.D.S.P.” アレグロ:ピアノを弾く室内楽仲間。細かく速い動きはピアノの指鳴らしを表しているとのこと。演奏する側は緊張を強いられドキドキです。
第3変奏 “R.B.T.” アレグレット:アマチュア劇団の役者で変わった声を出すことができる vboxの雰囲気をファゴットなどでユーモラスに表現しています。
第4変奏 “W.M.B.” アレグロ・ディ・モルト:きびきびした世話好きの友人。急にやって来て早口で要件を伝え、風のように去っていきます。速い!
第5変奏 “R.P.A.” モデラート:学者であり、名高い詩人の息子。真面目に深刻な話をしていても時々ふと軽い話題に移ることがあるようです。
第6変奏 “Ysobel” アンダンティーノ:エルガーにヴァイオリンを習っていた女性。やがてヴィオラに転向、移弦の練習をしているところを表しています。
第7変奏 “Troyte” プレスト:エルガーにピアノを習っていた建築家で、童心に満ちた人。言い争いがあって疾走する人だったのでしょうか。ジェットコースターのようです。
第8変奏 “W.N.” アレグレット:音楽協会に勤めていた堅実な女性。この曲の優美な風情から彼女の穏やかな性格が垣間見られます。
第9変奏 “Nimrod” アダージョ:「ニムロッド」は音楽出版社ノヴェロの編集者であった親友イェーガー氏の愛称。エルガーの良き理解者・批評家でもあった大切な友への想いを丁寧に描いたこの変奏は壮重な美しさにあふれ、単独でもよく演奏されます。
第10変奏 “Dorabella” インテルメッツォ アレグレット:夫妻がかわいがっていたドーラ・ペニーという愛らしい女性が話す様子を木管楽器が魅力的に表現しています。
第11変奏 “G.R.S.” アレグロ・ディ・モルト:聖堂のオルガニスト。でも主人公は彼の愛犬ダン。川に転げ落ちる場面で始まり、やがて駆け上がってきてワンと鳴きます。
第12変奏 “B.G.N.” アンダンテ:チェロを弾く室内楽仲間。チェロの独奏で始まるメランコリックなセレナードです。
第13変奏 “***” ロマンツァ モデラート:イニシャルのない謎の変奏。船旅と離別を示唆しているようです。船のエンジン音をパーカッションが工夫して奏でます。
第14変奏 “E.D.U.” フィナーレ アレグロ - プレスト:エルガー本人(Edoはエドワードの愛称)。第1変奏と第9変奏のフレーズが引用されていることから、アリス夫人とイェーガー氏がエルガーの生涯に大きな影響を与えていたことがわかります。最後は主題が高らかに奏され、堂々とした響きで曲は終わります。
ヴォーン・ウィリアムズ 交響曲 第5番
ヴォーン・ウィリアムズの9つの交響曲の中でもシンプルな編成で円熟を感じさせる曲です。第二次世界大戦中の1943年に初演されました。この曲の穏やかさから、平和を希求し、その訪れを信じている意志を感じます。厳密に音を組み立てながらも、厳格さに縛られすぎない自由な作風となっています。
ヴォーン・ウィリアムズは1953年のウェストミンスター寺院でのエリザベス2世戴冠式のために曲《味わい、見よ》を書いており、2022年の同女王の国葬ではその曲とともに交響曲第5番のオルガン編も演奏されています。英国を代表する作曲家であり、その作品も大切にされていることがわかります。
第1楽章 プレルーディオ モデラート
ホルンによる冒頭の音型のリズムを特徴とし、ヴァイオリンがそれを受けて穏やかに曲は進みます。やがてテンポが速くなって、弦楽器がうごめく中、木管とホルンが不吉な予感を暗示し、徐々に全体の力を増してクライマックスへ至ります。それも長くは続かず、やがて嵐が過ぎ去った後のような平穏さに戻っていきます。
第2楽章 スケルツォ プレスト・ミステリオーソ
「非常に速く神秘的に」という珍しい指示。5分ほどの短い楽章ですが、2拍子系と3拍子系が混在し、演奏する側はとてもスリリングです。木管楽器が舞曲風の旋律を奏でている中、急に不気味な音型が加わったり、弦楽器が不規則な波のような細かい動きをずっと続けたりと気が抜けません。奏者の必死な様子にご注目ください。
第3楽章 ロマンツァ レント
静かな瞑想曲。祈りを捧げるようなゆっくりとした弦楽器のアンサンブルを特徴とします。この楽章では木管楽器のオーボエとその仲間のコーラングレ(別名イングリッシュホルン)にもご注目ください。中間部で呼応するところは、雲の多いイギリスの草原で思いをつぶやいても吹きすさぶ風にかき消されていくような寂しさをイメージして吹いているそうです。
第4楽章 パッサカリア モデラート
「パッサカリア」の形態の一部である「ゆったりとした3拍子」で静かに始まります。少しずつ高揚感を増し、やがて明るいアレグロの世界が広がります。しかし、霧が晴れたかと思いきや、急に強い風が吹いてきて…とめまぐるしく変わる天気のよう。最後は第1楽章冒頭の静寂な世界に戻り、弦楽器の安らかなアンサンブルで曲を閉じます。
全曲を通し、イギリスの丘のように起伏がなだらかな部分が多く、皆様を安らかな夢の世界にいざなう可能性もありますが、それも音楽の持つ力かもしれません…(寝言にはご注意ください)。
ヴォーン・ウィリアムズの曲は当団初挑戦であり、高井先生の棒のもとどんな世界が繰り広げられるのか、どうぞごゆっくりお楽しみ下さい。
~ 作曲家紹介(生年順)~
クラシック音楽といえばヨーロッパを思い浮かべる方も多いと思いますが、イギリスでは17世紀にパーセルが活躍した後、19世紀にエルガーが現れるまで作曲活動は休眠状態にありました。イギリス音楽復興の火付け役となったのがエルガーであり、それに触発されて「他国の真似ではないイギリス独自の音楽」を追い求める作曲家が次々と現れ、中でもヴォーン・ウィリアムズとホルストはその発展に重要な役割を果たしました。
イギリスで絶大な人気を誇るこの3人の作曲家はどんな人物だったのでしょうか?
生年順に紹介いたします。
エドワード・エルガー (1857 - 1934)
― 有名な作品:行進曲『威風堂々』、愛のあいさつ、チェロ協奏曲 など
楽器店を経営する父のもと独学で音楽を勉強。正規のレッスンを受けたのはヴァイオリンとピアノのみ。32歳のときヴァイオリンの教え子であった8歳年上のアリスと結婚します。アリスのほうが上流階級であったため結婚への反対はありましたが、夫の才能を信じる夫人の献身的なサポートによりエルガーはやがて才能を開花させ、42歳のとき演奏された変奏曲『エニグマ』が大喝采を博し一躍有名になりました。以後20年にわたりイギリスの音楽界をリードします。しかし62歳のとき妻を失うと創作力が一気に衰え、いかに愛妻家だったかがわかります。エルガーの音楽は、エドワード朝時代の栄光を思わせる高貴さやノスタルジックな情感に溢れ、今でもイギリスで深く愛されています。
レイフ・ヴォーン・ウィリアムズ (1872 - 1958)
― 有名な作品:『グリーンスリーブス』による幻想曲、揚げひばり など
ヴォーン・ウィリアムズが名字、レイフがファーストネーム。父親は牧師、母親はウェッジウッド家出身でチャールズ・ダーウィンの姪という知的で富裕な家庭に生まれました。ロンドンの王立音楽大学で学び、ケンブリッジ大学で音楽の博士号を取得。エルガーを尊敬し、ブルッフやラヴェルにも一時師事しました。42歳のとき第一次世界大戦が勃発、従軍を志願し医療部に配属されます。第二次大戦中も避難者の受け入れをするなど、常に無私の心で世のため人のために尽くし、困難な状況でも音楽を作り続けました。79歳でアーリーン夫人を亡くした後、81歳で40歳年下のアーシュラと再婚(後にアーシュラは夫の伝記を出話)、85歳で最後の交響曲第9番の初演にも立ち会い、その年に急逝しました。彼がイギリスを代表する作曲家とされるのは、柔軟さと謙虚さを備え努力を惜しまなかったその姿勢によるものかもしれません。
グスターヴ・ホルスト (1874 - 1934)
― 有名な作品:組曲『惑星』、セントポール組曲 など
ピアノ・オルガン奏者であった父にピアノを学び、ロンドンの王立音楽大学に入学、そこで2歳上のヴォーン・ウィリアムズと知り合い、生涯の親友となります(ヴォーン・ウィリアムズは「私の音楽に最大の影響を与えた人」と語っています)。思い描いた音をそのまま楽器で表現できるオーケストレーションの才にたけ、ロンドンのセントポール女学校の音楽科主任として優遇された環境のもと、ほとんどの作品を音楽室で作り上げました。サンスクリット語を学びヒンドゥー文学やインド哲学に興味を持つとともに、占星術や天文学、異国的なものにも惹かれていて、7つの惑星に思いを馳せた組曲『惑星』のほか、遠い日本を思い描いた「日本組曲」という管弦楽曲も作っています。彼の音楽からは、その独特の世界観による神秘的な響きを感じます。
<参考文献>
イギリス音楽の復興 哀歌の偉人たち エルガーからブリテンへ マイケル・トレンド [著] 木村重雄 [訳] 旺文社
英国音楽大全 『イギリス音楽』エッセイ・評論&楽曲解説集 三浦純史 [著] 音楽之友社
全音ポケットスコア エルガー エニグマ変奏曲作品36 全音楽譜出版社
レイフ・ヴォーン・ウィリアムズ<イギリスの声>をもとめて サイモン・ヘファー [著] 小野精一・高橋宣也 [訳] アルテスパブリッシング
とあるアマチュアオーケストラの、ある日の会話から
その1 泉の女神様:「金の楽器? 木の楽器?」
<登場人物> O=経験豊富な木管楽器奏者 / N=入団1年目の弦楽器奏者
~ ある練習日の休憩中 ~
O:Nさん、おつかれさまです。
N:おつかれさまです。
(―― コーヒーを飲みながら)
N:あのう、Oさんにお聞きしてみたいと思っていたことがあるのですが。
O:なんでしょう?
N:オーボエやクラリネットの黒い部分って、「木」なんですか?
O:そう、木なんですよ。「グラナディラ」という硬い木が使われているの。
もちろん、全部の楽器がそうというわけではないけど。
N:えっと、じゃあ、フルートはどうなんでしょう?
O:(ふふ、なんか言いたいことわかっちゃった気がする。)
フルートの材質はいろいろあるけれど、金属のことが多いですね。
白銅(銅、ニッケル、亜鉛の合金)とか、銀、金、プラチナとか。
さっきの、グラナディラの場合もありますよ。
N:サックス(サキソフォン)はほとんど金属ができているように見えますけど、木管楽器の分類ですよね?どうしてなんですか?
O:そう思いますよね!実は、「サックス=木管」、これポイントなんですよ。
木管と金管は、「何でできているか?」ではなく、「どのように音を出すのか?」で分類されて、唇の振動を「マウスピース」というパーツから伝えて音を出すのが「金管楽器」、それ以外を「木管楽器」というそうですよ。
N:へぇー、そうなんですね!実は中学時代、吹奏楽部員だったのですけど、なんとなく聞きそびれたまま、ずっと疑問でした。あぁ、スッキリした!
O:あはは、それはよかったですね!あ、そろそろ再開だ。もうひと頑張りしましょう!
N:はい!
※ グラナディラは、アフリカに生息する黒い木材。見た目が黒いことで黒檀と混同されることがあります、両者は全く別の木です。非常に堅く変形しにくいということで、クラリネットやオーボエ(最近ではフルートにも)の管体に使われています。
―― ヤマハミュージックメディア「管楽器 おもしろ雑学事典」より ――
その2 「落ち豆を拾う」
<登場人物> ある弦楽器パートの面々
~ 居酒屋にて ~
全員:カンパーイ!
M:ブルックナーも大変だったけど、ヴォーン・ウィリアムズもなかなかだよ。
K:あまり聞いたことがなかった曲だから、イメージが沸きにくいんだよなぁ。
C:知らなかったのに、不思議と懐かしいような?
Y:和風に聴こえるようなところもあるような?
N:和風ですか?
Y:んー、和風というか、大河ドラマのオープニング風?
N:私はなんだかハリー・ポッターの映画を思い出す。
K:それは映画の方が、この曲をイメージしたんじゃないかな?
N:なるほど、そうですね。
M:速いテンポがずっと続くところがあるでしょう。一度落ちたら復帰できないかも!
全員:そうそう、怖い!
N:どうしたらいいでしょう?
M:トレーナーの先生は、「ゆっくりから練習するしかない」と仰ってたね。
C:落ちたとき対策なら、私は「豆譜」を書きまくる。
N:豆譜って?
Y:自分の楽譜に、他のパートの音符を小さく書いておくんだよ。
「影譜(かけふ)」と呼ぶ人も多いね。
他には、フレーズ毎に楽譜に印をつけておいたりするよ。
K:カウントを取り損ねても、フレーズとセットになっていれば、復帰するのに便利だな。
C:速いテンポで休みなく続くときは、楽譜をめくるタイミングも難しいよね。
そういう時も詰めくりの前後を書き写しておくといいよ。
K:前後を書いておくのにも、楽譜の余白にだって限界があるし。
Y:小小さすぎたら読めないし!
M:細かくてややこしい部分は暗譜するのも手だよ。
N:暗譜ですか?!覚えらえるかなあ。
C:何度も練習するうちに覚えられるよ。
全員:結局、「練習するしかない」んだよね!
※ 「落ちる」=楽譜上の現在演奏中の箇所を見失うこと。
《余談》 弦楽器はとくに音符が多いため、練習の初期には「落ちた」人をしばしば見かけますが、ベテランになると「落ちても弾いているフリ」が上手くなる傾向があります。(本番ではそのような人がいないことを祈ります!)